借金問題とは直接的な関係はないかも知れませんが、今、地方のリゾートマンションの多くが競売に出ている、という記事を朝日新聞で見つけました。
私も、自分がRCC(整理回収機構)に競売に掛けられた(手続き上ですが)立場なので、少し興味があり読み進めてしまいました(笑)
この記事では、既に入居者が住んでいない物件に対して、管理組合が競売申し立てをし、それを管理組合が自ら落として、滞納分の管理費などを帳消しにしているそうです。
落札価格も、数万円という破格のものもあるとか。
ただ、資産と言うのは、利用価値があって初めて価値が出てくるものですから、利用価値がないと判断できるものは、不動産であろうが何であろうが、価値は低くなると思います。
そういう意味で、バブル景気の時期に無計画で建設された物件と言うのは、処理が難しいという事になりますね。
零細企業の負債の処理を行う際に、事業譲渡や会社分割という方法を使いますが、会社内に何かしら価値がある事業や資産がないと、処理が難しくなることがあります。
例えて言うなら、不動産での資産を持たない事業の場合、債権者側が、資産の処理(資産価値の査定など)をするのは、凄く難しい作業になります。
昨今、金融機関の事業性融資が話題になっていますが、その会社のどこに価値があるか、というのは部外者には判断が難しい部分があるでしょう。
この分野では、直接金融の盛んな、アメリカの方が進んでいるかもしれませんね。
私の場合は、負債を圧縮する際に、まずは事業に直接関係ない資産(主に不動産)を売却し、単純に負債を減らすという作業から取り組んでいます。
これは、債権者からすると当たり前で、1億円貸しているうちの、いくら回収できるか、という事ですので、資産を売却して借金の返済に充てます。
それで、売却できる資産を全て処理して、それでも残る負債をどうしましょうか、という段階になるわけです。
こういう負債を、無担保債権と言いますが、要は、その会社や事業で持っている資産で借金を返済した残りカス、みたいなものですね(笑)
カスという位ですから、債権者(金融機関)は回収不能と判断する場合が多いと思います。
それで、それに関しては、サービサーに売却する、債権放棄する、などの処置が成されることになります。
話が飛んで申し訳ないのですが、先ほどの不動産などの資産を持たない事業の場合は、その資産価値をまず判断しなければいけませんよね。
例えば、テナントで営んでいる事業。
飲食店の方もそうでしょうし、コンサルタントなどもそうでしょう。
殆どが、事業に関する不動産というものは、法人自体は所有していないと思います。
この様な事業は、億単位の融資を受けること自体が今では難しいですが、そういう時代もありました。
そういう場合、売却できる資産と言うのは、その事業そのものや、ブランド、著作権などでしょうか。
世の中でどれだけの価値があるかを判断するのが難しいですよね。
例えば、その会社が運営していたHPなど。
これも、最近では頻繁に売買されていますので、これも売却されるでしょうね。
それでも、立ち行かなくなった会社のものですから、価値は限定されると思います。
なので、こういう事業の場合、無担保債権が多く残る事が多いと思いますね。
まあ、こういう事があるから、金融機関は融資する際に不動産担保がある方が有利、という事になるのでしょう。
今回のリゾートマンションの問題は、事業による負債ではありません。
ただ、場所にもよりますが、バブル当時にどう見ても1000万円位の価値しかない物件に1億円の価格が付き、それに銀行が100%融資していた、という事実があります。
この問題に関して、借り手と貸し手の責任の比重と言いますか、どの位の割合で責任があるのか、という問題ですね。
ここ数年もそうですが、日銀の金融緩和により、その資金が金融経済に流れて、実際に不動産価格が上昇している、という問題があります。
その裏では、意図的に儲けようとしている、国際的な財閥系の魂胆が見え隠れしますが、事実として、不動産の価格が上昇しています。
ダブついた資金があるがゆえに、こうなる訳ですね。
自分がバブル時代の後処理に苦労したことで、どうしてバブルが起こるのか、借金ってなんだろう、お金の仕組みはなんだろう、と疑問を持つことになりました。
確かに、借金の処理は大変な事ですが、適切に処理しさえすれば、その経験から色々な知識や見識を身に付ける事が出来ると思います。